アイリスグラスについて
アイリスグラスは、20世紀初頭に開発された特殊なガラスで、虹色の美しい輝きが特徴です。その名前は、ギリシャ神話の虹の女神「イリス」から取られており、まさに虹のような色彩豊かな輝きを持っています。
その美しい虹色の輝きを生み出すために、独特な製法で作られています。
アイリスグラスの製法は、フュームド・ヴェールと呼ばれる技法が一般的です。
この方法では、ガラスの表面に金属酸化物を気化させたものを薄く吹き付け、さらにその上から透明なガラスで覆うことで、光の屈折や干渉によって様々な色が現れる美しい輝きを引き出します。
アイリスグラスの色合いは、使用する金属酸化物の種類や濃度によって変化します。たとえば、銀や金の酸化物を使用することで、青や緑、紫などの幻想的な色彩が生まれます。また、ガラスの厚みや形状によっても、光の屈折の仕方が変わり、独特の色合いが現れ、一つ一つ色合いが違うのも魅力です。
アイリスグラスは、その美しい輝きから「虹のガラス」とも称され、その独特の色合いと輝きが多くの人々を魅了してきました。特に、1920年代から1930年代にかけて、アールデコやアールヌーヴォーのデザイン運動が盛んだった時期に、アイリスグラスは大変な人気を誇りました。この時期のアイリスグラスを使用したジュエリーは、独特のデザインや装飾が施されており、今でも高い芸術性と評価を受けています。